また、新卒でやっていた
「CAE (Computer Aided Engineering)」について書こうと思います。
タイトルでも書きましたが、
CAEは大きく分けて2つの解析があります。
今回はこの事についての記事です。
目次です。(ブログで初めて使いました)
CAEは線形解析と非線形解析がある。
前の記事でも書きましたが、
CAEは読み方が分からない人が多い位、知らない人が多いです。
技術系の部署間のやり取りでも例外ではなく、
私自身、CAE業務そのものを見下されてる事もありました。
よく見下されていたのはCADを使う設計部署でしたね。
実はCADの中でもCAEのツールは存在します。
そのCAEツールを知っている、使っている
設計部署のプロパーの発言がひどかった。
CAEの部署は設計部署の業務の一部をやっている。
だから、設計に比べるとCAEはレベルの低い部署だ。
なんて言われたりしていました。
言うまでもありませんが、そんなことない(笑)
CAEの部署が使う解析も必要ですし、
設計者が使う解析も必要です。
この違いというのが「線形」と「非線形」です。
私がいた会社では以下のように分けられていました。
・設計者が使っていた解析=線形解析
・CAE部署で使っていた解析=非線形解析
具体的に何が違うのか?というとアウトプット形式が違います。
線形解析と非線形解析のアウトプットイメージは
以下のような形となります。*1
見たままなのですが、
直線か、そうではないのか?の違いです。
何によって違うのかについて次に説明します。
線形解析のアウトプットは直線です
線形解析は入力と出力が比例関係として出てきます。
重要なのは傾きの値。y=axのaです。
このaはモノの変化を見たい場合は材料の性質です。
柔らかい性質なら傾きは急になります。
そして、硬い性質ならば傾きは緩やかになるのです。
この解析で気をつけなければいけないのは、
どんな入力でも材料の性質が変わらないという事です。
現実ではどのような状況か?というと
どんな環境でも加えた力をなくせば、元の形に戻るという事を意味します。
どこでも弾性変形領域です。
例えば針金ハンガーやクリップを素手でグニャと曲げたとしても
手を離したら元の形に戻る。という事を言っているのです。
現実で会ったら面白そう
ですが、こんな環境はほとんどないでしょう。
小さな力の変形ならあり得るでしょうが、
殆どの場合は曲げたら元には戻りませんし、
繰り返しの力を加えれば千切れる場合もあります。
線形解析では、大きなレベルの変形になると
実際の環境を再現するのは難しいです。
現実に近い再現をするなら非線形解析
この大きなレベルの変形の再現をするために使っているのが
「非線形解析」と呼ばれるものです。
非線形は入力と出力は比例関係にはなりません。
基本的に使うのは
線形解析と同じy=axなのですが、少し使い方が違います。
大きく違うのは以下の2点です。
① ゴールまでの変形量を細かく分割して計算する
非線形解析では0.1mm, 0.05mmといった
非常に小さな変形だと比例関係が成り立つという仮定で計算します。
②aが変形により変わってくる
また、非線形解析では小さな変形の計算後、
変形した形に応じてy=axのaを計算し直します。
この積み重ねにより非線形の出力となります。
なので、きちんとした結果は出すことは出来るのですが、
反面、計算式の量が膨大になります。
材料の性質が明らかに変わらないとしてもaを再計算しますし、
解析の都合上、更に細かい変形の刻みにすれば、
それだけ時間もかかってしまいます。
これをより効率よく動かす。精度良く計算するというのが
CAEのエンジニアには求められています。
先程、前例として紹介したプロパーは
そもそもこの区別ができていませんでした。
しかも、勉強をする気もなかった方。非常に残念でした…
まとめ
この記事では以下3つについてお話しました。
参考になれば幸いです。
・CAEには線形解析と非線形解析がある
・線形解析は入力出力が比例関係で出力される
計算は早いが、大きな変形では実際の変形を再現できない
逆にこれを活かした解析もありますが別に書こうと思います…
・非線形解析は入力出力が比例にはならない
実際の変形に近い再現はできるが終わるまでの時間が長い