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派遣社員から臨床工学技士になった人の日記です。

派遣エンジニアが技術者派遣の紹介記事を見かけて思ったこと

monoist.atmarkit.co.jp

 

Monoistで情報収集をしていたら技術者派遣に関する記事がありました。

 

自己紹介でも、このブログの説明でも書いていますが、私は技術者派遣の会社で派遣エンジニアとして働いています。入社後は自動車関係のプロジェクトに就業し、これまで5つの案件に就業した経験があります。今回はそんな私がこの記事を見て思ったことを書いていこうと思います。

 

記事の内容色々

雇用形態

技術者派遣は派遣会社の正社員として雇用されるのが一般的である。派遣先との契約が終了しても派遣会社の社員であることは変わりない。

 

技術者派遣のメリット

業界のニーズに応じて派遣先を変えられる。

余剰があっても開発案件を請負い、社内開発や外部に対して教育・実習ができる

メーカーのように1つの業界に左右されることなく人を柔軟に配置できる

給与はエンジニアの能力評価で決まる

営業が定期的に訪れてフォローに応じてくれる

ずっとエンジニアでいることができる。

教育・研修も充実している。

 

技術者派遣のデメリット

同じ職場でずっと仕事をするのが難しい。

職場、勤務地が一定期間で変わる。

モノづくりのプロセスのうち、関われるのは開発以降であるケースが多い。

製品のコンセプト設計から完成まで、一貫して関わりたいという人には不向き。

 

それぞれの項目に対して感想

業界のニーズに応じて派遣先を変えられる。

これは本当です。逆に言えばニーズのない業務を続けている場合は、簡単に派遣案件を変更することが出来ます。

最近では赤字になった派遣先の影響で、契約終了となった派遣エンジニアもいますが、そういった方も元々のスキルがあるので、必要とされる派遣先にすぐに異動することが出来ます。

ただ、勤務地や業種を限定するとなると少し難しいかもしれないです。

 

マネジメント側に回らず、エンジニアでいることができる。

これは違いますね。

技術者派遣の会社によって大きく変わります。派遣エンジニアにもマネジメント業務を行う場合はあります。

 

例えば私がいる派遣会社は、派遣先組織とは別に派遣エンジニアだけのチームがあります。チームといっても派遣先も違えば業務内容も違うため、関わる機会はあまりありません。会うとしても月に1回の派遣会社の定例会くらいですね。

 

その定例会を開き、進行役として進めていくのが、マネジメント側の業務の1つです。それ以外にも配下となった人の技術力向上に関わる戦略についても考えたりしているみたいです。※ちなみにそのまとめ役の方は役職者としての手当ても貰えています。

 

前向きに考えれば、広い経験が出来るともいえますが、後ろ向きに考えると、非常に忙しくなってしまいます。単純に派遣エンジニアの仕事+派遣会社の仕事が入るからです。

 

また、派遣会社の仕事は派遣先の定時後に行いますので残業も必然的に多くなります。派遣先が派遣元にお金を払っている時間帯において自社業務を進める訳にはいかないですからね。派遣先の休日でも派遣会社に出勤し、会議に参加というのもよくあるそうです。

 

ただ、最初にも書きましたがこの体制というのは派遣会社で大分違います。この記事のメリット通り、技術業務のみを進めていく技術派遣会社も勿論あります。

なので、技術者派遣を選ぶ場合は派遣エンジニアだけの組織があるのか?というのを事前に確認しておいたほうがよいと思います。

 

給与は年功序列ではなく、エンジニアの能力を細かく評価されている

これも少し違います。

エンジニアとしての能力が上がっただけでは給与は増えません。+αが必要です。それは何かというと「全くわからない人に対してわかりやすく伝える力」です。

 

上記でも書きましたが評価する方は大体、派遣先技術業務に関わったことがない人です。そのため、専門的な知識についてもわからないことがほとんど。なので、未経験者でも理解できるよう、筋道をたて説明する力も必要になります。

 

また、派遣社員の給与は派遣会社と派遣先で組まれる単価で決まりますが、この単価というのはエンジニアのスキルが上がったとしても、最初に決まった金額から大きく増えることはありません。上がったとしても1年で数十円くらいです。

 

では、どうやって給与を増やすのかというと、スキルアップした時点で別の派遣先に移る形を取っています。

そうすると「エンジニア能力が向上した証拠を残したスキルシート」を準備し、面談をするということになるので、大幅に単価を上昇させて派遣契約をすることが可能になります。実際私はそれで単価を700円増やし、給与を大幅に増やした経験があります。

 

なので、派遣エンジニアの給料は右肩上がりというよりは、階段のように変化していくと考えてください。

 

教育・研修も充実している。

これは講師によります。私のいる派遣会社の場合は確かに研修施設の設備に関しては充実していましたが、肝心の設備を使える人がいませんでした。

 

私は機械系エンジニアですが、確かに研修施設の機械系部門では各種業界に対応するために数種類のCADを備えていました。実際多くの技術派遣会社はそのアピールが多いと思います。

ですが、私のいる派遣会社の講師はその中で2つのCADしか使えません(笑)。講師が使えないCADをメインで使っている派遣先になった場合は、配属当日まで自習の形で図面作成を進めていました。私の場合は1ケ月くらい自習でした。

 

対して化学系エンジニアの場合は充実していました。講師の方が元製薬企業のエンジニアということで詳細な教育をしてもらっていると聞いています。実際私も別分野のエンジニアにも関わらず品質管理の方法についてレクチャーいただき、資格を取得することも出来ました。

このことからも設備とか研修の規模はあまり気にしなくてもよく、むしろ担当講師のほうが大事と思います。

 

営業が定期的に訪れてフォローに応じてくれる

これは全然違いますね。一度送り出したらそれっきりというのがほとんどです。

確かに派遣先を定期的に訪れはしますが、それはあくまで派遣先の指揮命令者に会って状況を確認することが目的です。エンジニアのフォローはよほど大きなことがない限りありません。

 

おわりに 

確かにデメリットがあることはありますが、それは技術者派遣であろうとメーカーだろうと同じです。それよりも大事なのはちゃんとそれぞれの特徴を見た上で就職先、転職先を決めることではないのかな?と思います。

 

元々私は業界業種に捕らわれず色んな仕事を知りたいという理由で技術派遣会社を選んでいます。逆に業界や業種にこだわりのある人にとっては大変な所です。その点を注意したほうがいいと思います。